【ACTANT × メッシュワーク共同開発】社内変革を深化するデザインリサーチプログラム「Systemic × Ethnography」レポート公開

答えのない「複雑な課題（Wicked Problems）」に、企業はどう立ち向かうべきか。社会構造を広く見渡しながら、同時に生活の現場へ深く入り込む新しいリサーチプログラムを、ACTANTとメッシュワークが共同開発しました。また、本プログラムの概要と導入事例（小野薬品工業での研修プログラム）に関するレポートが公開されました。

合同会社メッシュワーク 2025.12.18

気候変動、国際情勢、テクノロジーの進化など、社会構造の急速な変化に伴い、企業を取り巻く環境はかつてない「複雑な課題（Wicked Problems）」を抱えています。

従来の課題発見やアイデア創出手法だけでは、この構造的な複雑性に対応することはできません。今、私たち自身が持つ「ものの見方＝レンズ」を根本からアップデートし、複雑な社会構造の深部にある本質的な「問い」を捉え直すことが、企業の成長戦略において不可欠となっています。

このような背景のもと、株式会社ACTANTと合同会社メッシュワークは、システム思考（Systemic Design）と人類学的エスノグラフィー（Ethnography）を統合したデザインリサーチプログラム「Systemic × Ethnography」を共同開発いたしました。

本プログラムは、

システミックデザインの「俯瞰力」：社会構造を広く見渡す力
エスノグラフィーの「探索力」：生活の場に深く入り込み、経験を起点に本質を捉える力

を組み合わせることで、「広く見渡しながら、深く入り込む」という新しいリサーチプロセスを確立しました。参与観察といった人類学的アプローチを通じ、現場で生きる一人ひとりの経験から立ち上がる「問い」を起点に、既存の構造を戦略的に描き直していきます。

本プログラムのプレスリリースおよび、導入事例である小野薬品工業株式会社でのプロジェクトを紹介するレポートを公開しております。

プレスリリース：本プログラムの全体概要

プログラム紹介レポート：実践プロセスと組織的価値

本プログラムは、システミックデザインの「俯瞰力」と、エスノグラフィーの「探索力」を統合し、社会構造を「広く」見渡しながら、生活の場に「深く」入り込むためのデザインリサーチプログラムです。

ACTANTが培ってきたデザイン思考・システム思考のフレームとともに、メッシュワークは参与観察や生活の場を捉える人類学的アプローチを用い、実際にそこで生きている一人ひとりの経験から立ち上がる問いを起点に、構造を描き直していきます。

今回公開されたレポートでは、2025年11月に開催されたSystemic Design Meetupイベントでのプレゼンテーションをもとに、「Systemic × Ethnography」の具体的なフレームワークと、メッシュワークが担う人類学パートの考え方、そして小野薬品工業での研修プログラム「Torch 課題探索ラボ」での実践プロセスを紹介しています。

「Systemic × Ethnography」に関する対談イベントの参加者である田中友美乃さんによるグラフィックレコード

がんをテーマに、患者さんとご家族の日常の暮らしに足を踏み入れ、インタビューだけでなく自宅周辺の散策や日常の風景をともに歩くなかで、「患者さんの実際の生活」に触れ、システムマップに反映させていきました。

このプロジェクトを通じて参加者の中に生じた変化は、「課題を発見した」だけではありませんでした。むしろ、一人の患者さんの生活の厚みにきちんと向き合うことそのものが、自分自身のものの見方を変えていくという経験でした。

n=1の経験に丁寧に寄り添い、そこで得られたインサイトを「システムマップ」として蓄積し続けることで、リサーチの結果そのものよりも、「問いの質」と「まなざしの深さ」が変化していくのです。また、システムマップを常に更新していくことで、企業に蓄積されたデータから問いを変化させ続け、企業内アセットを最大化させることこそが、このプログラムの価値だと考えています。

「現場の生活自体から戦略的な問いを立ち上げたい」

「組織の探究力や長期的な戦略づくりにデザインリサーチを活かしたい」

など、マーケティング、R&D、新規事業開発、人事・人材開発部門の方々にも役立つプログラムです。

現場の理解から立ち上げる事業・社内変革を志向される方は、ぜひお問い合わせくださいませ。